2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560636
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
永野 孝幸 Japan Fine Ceramics Center, エンバイロンメンタルマテリアル部, 副主任研究員 (70450848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幾原 裕美 (財)ファインセラミックスセンター, ナノ構造研究所, 主任研究員 (80450849)
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Keywords | ジルコニウム / ガリウム / アルミナ / 相変態 / 水蒸気 / シリカ |
Research Abstract |
これまでの研究から高温水蒸気雰囲気におけるアモルファスシリカ系水素分離膜の耐久性を向上させるためには中間層として使用されるγ-Al_2O_3のシンタリングの抑制と分離活性層のアモルファスシリカの緻密化を抑制することが必要であると考えられる。 そこで、γ-Al_2O_3の耐熱耐水蒸気性向上を目的として、ゾルーゲル法により、3-5mol%のZrをドープしたγ-Al_2O_3並びに3mol%のGaをドープしたγ-Al_2O_3をα-Al_2O_3多孔質基材上に成膜し、1273Kまでの耐熱性及びSteam/N_2=3、773K、0-50hの水蒸気曝露によるメタルドーパントγ-Al_2O_3の耐水蒸気性を暴露前後の水素透過率変化、比表面積変化、細孔分布変化、XRD回折から検討した。 γ- Al_2O_3は1073Kを越えるとα相への相変態が始まった。Zr添加γ-Al_2O_3は1273K熱処理後によってγ-Al_2O_3相の結晶性は低下するものの、γ-Al_2O_3相は維持されていた。Ga添加γ-Al_2O_3では1273Kの熱処理後、わずかにδ-Al_2O_3相の生成が認められるものの、γ-Al_2O_3相はほぼ維持されていた。熱処理前後の比表面積の変化はγ-Al_2O_3では1273Kの熱処理による著しい比表面積の減少が認められるが、ZrあるいはGa添加γ-Al_2O_3では熱処理後においても熱処理前の比表面積は維持されていた。 高温水蒸気曝露において、γ-Al_2O_3へのZrあるいはGaの添加は曝露による水素透過率の増加を抑制した。しかしながら、水蒸気暴露後のサンプルでは細孔径の増加が認められた。 また、γ-Al_2O_3に代わるメソポーラス中間層として、Zrを添加したアモルファスシリカ系材料の合成とネットワーク構造の解析を行った。Zrはアモルファスシリカのネットワーク内に存在しており、水蒸気によるアモルファスシリカの緻密化抑制効果が期待できる。
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Research Products
(5 results)