2010 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラスシリカの光機能性発現メカニズムの解明と光触媒への応用
Project/Area Number |
20560637
|
Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
高橋 雅也 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (90416363)
|
Keywords | メソポーラスシリカ / 光触媒 |
Research Abstract |
広い波長域に対して透明であるメソポーラスシリカに、常識では考えられない光触媒機能のあることを見出した。新しい光・化学エネルギー変換材料となるため注目されている。この発現メカニズムを解明するとともに、揮発性有機化合物(VOC)の分解や、エタンおよびメタンから部分酸化によりアルコールを合成する光触媒としての応用を検討している。 本年度は、メソポーラスシリカの光触媒機能の発現メカニズムの解明を目的として、メソポーラスシリカの規則性が光触媒機能の発現にどのように関与するかを明らかにするため、メソポーラスシリカと同等のメソ孔の細孔径を持ち、3次元規則性を持たないシリカゲルに対して、VOCガスに対する光触媒機能を検討した。また、メソポーラスシリカや酸化チタン光触媒にレーザー照射によって酸素欠損を導入することにより、光触媒機能がどのような影響を受けるか検討した。 平均細孔径が7nmのシリカゲルを用いて各種VOCの光触媒機能性試験を行った結果、トリメチルベンゼン、キシレン、トルエンなどメソポーラスシリカと同様に光触媒活性を示した。また、メソポーラスシリカと同等の反応性、および選択性を示した。これらのことから、メソポーラスシリカに見られる光触媒機能性はメソポーラスシリカ特有のものではなく、多孔性シリカの持つ性質であることが分かった。また、酸素欠陥の導入のため短パルスレーザー照射をおこなったところ、メソポーラスシリカの光触媒機能は特に影響を受けないが、酸化チタン光触媒は黒色に着色し、可視光に対しても光触媒機能を示すことが分かった。これはメソポーラスシリカではケイ素の原子価は4価から変動しにくいが、酸化チタンは容易に3価のチタンが形成され、新たな吸収帯の形成により可視光が光触媒作用に影響したものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)