2008 Fiscal Year Annual Research Report
チタンージルコニウム系生体用超弾性合金の組成最適化および内部組織制御
Project/Area Number |
20560646
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金 へよん University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (20333841)
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Keywords | 生体材料 / 金属物性 / 材料加工\処理 / 超弾性材料 / チタン合金 / 形状記意合金 |
Research Abstract |
本年度には、合金組成を系統的に変えたTi-Zr-Nb-(O,N)合金を作製し、変態特性と変形挙動の評価を行い、各添加元素が結晶構造、相安定性、マルテンサイト変態挙動、超弾性特性に及ぼす影響を定量的に調べた。Ti-(0-24)Zr-(0-26)Nb-(O,N)合金におい、Zr、Nb、NおよびOはいずれもマルテンサイト変態温度を低下させることが分かった。マルテンサイト変態温度を下げる効果が異なり、1at%添加によりNbは40K、Zrは30K、Nおよび0は80K変態温度を下げた。このことからTi-Zr系の変態温度に及ぼすNおよびOの影響はTi-Nb系より弱いことが分かった。また、各添加元素の量を調節することにより、様々な組成で超弾性が発現することが分かった。一方、Ti-Zr-Nb-(O,N)合金において、Nbの添加量増加に伴い母相からマルテンサイト相への変態時の格子変形歪みが低下したが、Zr、NおよびOの添加は格子変形歪みには大きい影響がなかった。形状記憶・超弾性特性を調べた結果、Zrの添加量が増加することにより、Nbの添加量が減少することにより回復歪みが増加した。しかし、NbおよびZrの添加はすべり臨界応力の上昇には効果がなかった。Nおよび0は格子変形歪みの増加には効果がなかったが、すべり臨界応力を大きく上昇させ、超弾性特性の安定に有効であった。また、NはOより強度を上昇させる効果が強いことが確認できた。
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