2009 Fiscal Year Annual Research Report
チタンージルコニウム系生体用超弾性合金の組成最適化および内部組織制御
Project/Area Number |
20560646
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金 へよん University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (20333841)
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Keywords | 生体材料 / 金属物性 / 材料加工・処理 / 超弾性材料 / チタン合金 / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
様々な組成のTi-Zr-Nb系合金をアルゴンアーク溶解法で作製し、均質化処理および99%の冷間圧延を施した。冷間圧延材を用い様々な温度で焼鈍および溶体化処理を施し、超弾性特性を調べた。Ti-Zr-Nb三元合金においては、NbとZrの添加量を調節することでさまざまな組成で超弾性を示した。例えば、Ti-6Zr-22Nb,Ti-12Zr-18z,Ti-18Zr-15Nb合金において、良好な超弾性が確認できた。Ti-18Zr-15Nb合金にOおよびNを添加すると超弾性を示すNb濃度は低下した。例えば、0.5%のN添加の場合は14Nbで、1.0%のN添加では13Nbで超弾性を示した。特にTi-18Zr-14Nb-0.5N合金ではすべり臨界応力500MPa回復歪み5%を示す良好な超弾性を示した。1at%のNを添加するとすべり臨界応力は上昇したが、破断伸びおよび回復歪みは減少した。1.5at%以上の添加材では冷間加工性が悪くなった。O添加材の揚合もN添加材と同様な傾向を示したが、超弾性特性はN添加材に比べて良くなかった。冷間圧延材の集合組織を調べた結果、β相が安定な組成では(002)<110>加工集合組織が強く発達したが、β相の安定性が低下することにより即ち、Nb濃度が低下することにより、集合組織が弱くなった。(002)<110>加工集合組織が強く発達した場合、再結晶集合組織は(112)<110>が強く形成された。いずれの集合組織も圧延方向には格子変形歪みが大きい<110>を向いていることから、超弾性特性の改善に有効であることが分かった。
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