2008 Fiscal Year Annual Research Report
Nb-W系水素透過膜合金の機能設計 -長期間水素透過における耐久性向上にむけて-
Project/Area Number |
20560661
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
南部 智憲 Suzuka National College of Technology, 材料工学科, 准教授 (10270274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 宏 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50293676)
松本 佳久 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40219522)
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Keywords | 水素透過膜 / 耐水素脆性 / 水素透過能 / ニオブ / 固溶水素濃度 / 合金効果 / 合金設計 |
Research Abstract |
Nb-W合金はPd系合金と比較して10倍も高い水素透過能を有する。しかしながら、水素透過膜用Nb-W合金の設計において、高い水素透過能と耐水素脆性および耐久性を兼ね備えるための様々な最適条件については不明な点が多い。そこで平成20年度は、Nb-W合金の最適な加工・熱処理条件を明らかにすることを目的として研究を遂行した。 W添加量に及ぼす圧延率の変化を調査した結果、Nb-5mol%W合金では、約20gのボタンインゴットから厚さ0.5mmまでの板状まで冷間圧延が可能である。しかしながら、5mol%W合金以上から急激に加工性が低下し、9mol%W合金では、冷間圧延が不可能であることを明らかにした。 一方、純NbおよびNb-W合金のビッカース硬さに及ぼす熱処理時間の影響を調べた結果、いずれの試料も冷間加工後、アルゴン雰囲気中、1200℃、1時間の熱処理によって軟化するが、1時間以上の熱処理を行うことによって再び硬度が増大し始めた。また、1200℃、24時間以上の熱処理を行うと冷間加工直後よりも硬度が高くなることが明らかとなった。熱処理時間に対する試料中の酸素濃度を測定した結果、熱処理時間に比例して酸素濃度が増大していることがわかった。また、チタンゲッターなどで雰囲気中の酸素分圧を低下させた場合でも、熱処理時間に従い酸素濃度が増加する傾向を示しており、可能な限り短時間で熱処理を行う必要があることを明らかにした。
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Research Products
(18 results)