2012 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル基合金のクリープ疲労特性に及ぼす金属組織依存性の解明
Project/Area Number |
20560662
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
早川 正夫 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50354254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 一夫 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (00354259)
木村 恵 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (20354251)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | ニッケル基合金 / アロイ617 / クリープ疲労 / 高温疲労 / ひずみ範囲分割法 / 延性消耗則 / 時間消耗則 / 低サイクル疲労 |
Research Abstract |
当該年度では、ニッケル基合金アロイ617(Ni-22Cr-12Co-9Mo)の650℃及び700℃における引張ひずみ保持台形波低サイクル疲労特性、三角波低サイクル疲労特性、クリープ破断特性、高温引張強度特性を取得した。その結果、高温低サイクル疲労特性に及ぼす素材ヒートの違いや結晶粒径の影響は小さいことが明らかになった。 そして、引張ひずみ保持台形波によるクリープ疲労寿命を、時間消耗則、延性消耗則、ひずみ範囲分割法を用いて評価・解析した。その結果、時間消耗則ではばらつきが大きく、実験値が予測値に対して、Factor of 2(1/2~2倍)の範囲を超える場合も見られた。一方、延性消耗則では時間消耗則に比べて比較的精度良く予測できた。さらに、ひずみ範囲分割法ではFactor of 2の範囲内でほとんどの実験値を高精度で予測できた。 アロイ617の700℃高温引張強度は、NCF800H、SUS310S、SUS316、SUS304、高クロムフェライト系耐熱鋼(9Cr-2W、12Cr-2W)に比べて顕著に高かった。さらに、三角波低サイクル疲労特性においては、同一試験条件ではそれら鋼に比べて、長寿命であった。一方、引張ひずみ保持台形波によるクリープ疲労特性においては、SUS304より寿命は短く、NCF800Hと同程度であった。この理由はクリープ破断延性が低いことによるものと考察された。 原子間力顕微鏡(AFM)及び透過電子顕微鏡(TEM)等によるミクロ観察により、クリープ疲労損傷プロセスにおいて、結晶粒界上の析出物の粗大化・偏析が加速されることが明らかにされた。クリープ(疲労)破断延性の低さの一因として、粒界上の析出物が粗大化すると共に、粒界上に高密度で偏析することによるものと考察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)