2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560678
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 茂 Musashi Institute of Technology, 工学部, 教授 (80097170)
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Keywords | 大気圧プラズマ / 水 / 表面処理 |
Research Abstract |
精密洗浄や環境処理技術に、高度な真空を必要としない大気圧プラズマとその応用に大きな関心が寄せられている。大気圧で十分安定に動作するプラズマ源を用いれば真空容器を必要としないため、処理対象物の寸法に対する制約が大きく軽減される。また、プラズマプロセスで重要な役割を果たす各種ラジカルを大気圧では手軽に高密度に生成でき、処理速度の大幅な改善も期待できる。 本研究では、環境負荷の低い水(H_2O)をプラズマガスとして用いて、水に容易に吸収されるマイクロ波(2.45GHz)を用い、マイクロ波共振器の形状を工夫し、ガス流を放電の安定化に用いたプラズマ源を開発し、大気圧プラズマを用いた表面洗浄、表面改質、有機物分解に関する基盤技術の確立を目的としている。 背景としては、精密電子部品等の精密洗浄に対するプラズマ技術の適応に注目が寄せられつつある。これは、従来の洗浄においては代替フロン等による湿式洗浄が主に行われてきたが、地球環境に大きく作用するオゾン層破壊物質の削減を目指すモントリオール議定書(1989年発効)により、代替フロンの利用も先進国では2020年までに全廃しなくてはならず、これに変わる新たな方法としてプラズマによる洗浄が期待されている。しかしながら多くのプラズマプロセスにおいては真空装置を必要としてきた。さらに、用いられるガスには大きな地球温暖化係数を持つもの、オゾン層破壊物資となるものなどが多用されてきた。このような問題点を解決することが急務となっており、装置設備費を軽減できることから、大気圧プラズマの利用に期待が寄せられている。 本年度の主な成果としては、プラズマ中で重要なOHラジカルの空間分布について実験的および理論解析によって、その詳細な機構を明らかにしたことである。電子密度の高いこのプラズマでは、処理に最適なプラズマ下流部に高密度OHを生成可能であることを示した。
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Research Products
(10 results)