2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアル・スパッタ法を用いるEL素子用多元系複合酸化物蛍光体薄膜の開発
Project/Area Number |
20560680
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 俊弘 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (30257448)
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Keywords | 薄膜 / EL素子 / コンビナトリアル / スパッタリング / 蛍光体 |
Research Abstract |
本研究のゴールは、コンビナトリアルスパッタリング成膜技術を確立し、蛍光体薄膜開発の効率を飛躍的に高めると共に、本成膜法を駆使して薄膜エレクトロルミネッセンス(EL)素子用高性能蛍光体薄膜を開発することにある。具体的には、これまで我々のグループが開発してきた各種酸化物蛍光体(2元あるいは3元化合物)をべースにそれらを複数組み合わせた多元系複合酸化物蛍光体を開発し、超高輝度、高発光効率フルカラー無機薄膜EL素子を実現することにある。 本年度は、コンビナトリアル・スパッタリング法により、多元系蛍光体薄膜を作製する成膜技術を確立した。まず、第1段階として、エレクトロルミネッセンス素子用蛍光体薄膜材料として、申請者らが開発に成功した高輝度黄色発光多元系酸化物薄膜である(Y_2O_3)_x-(GeO_2)_<1-x>(Y_2O_3)_x-(Gd_2O_3)_<1-x>及び(Y_2O_3)_x-(Ga_2O_3)_<1-x>薄膜等のY_2O_3ベース多元系複合酸化物蛍光体薄膜の構成元素の組成及び発光中心材料であるMnの添加量を変化させた薄膜をそれぞれ1回の成膜プロセスで作製する成膜技術を確立した。また、エネルギー分散型X線微量元素分析装置(EDX)及びX線光電子分光分析装置(XPS)を用いて、コンビナトリアルスパッタリング法により作製したY_2O_3べース多元系複合酸化物蛍光体薄膜中の構成元素の組成及発光中心材料であるMnの添加量の基板位置依存性について検討し、最適組成及びMn添加量を明らかにした。作製したY_2O_3べース多元系複合酸化物蛍光体薄膜を発光層として用いる薄膜EL素子を作製し、青色発光を実現できた。 以上の成果から、本年度の研究目標は十分に達成できたと言える。
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