2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアル・スパッタ法を用いるEL素子用多元系複合酸化物蛍光体薄膜の開発
Project/Area Number |
20560680
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 俊弘 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (30257448)
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Keywords | 薄膜 / EL素子 / コンビナトリアル / スパッタリング / 蛍光体 |
Research Abstract |
平成21年度は以下の研究開発項目を実施した。 1)昨年度開発した材料に加えて、高輝度発光の期待できる酸化ガリウム(Ga_2O_3-酸化錫(SnO_2)系、酸化ガドリニウム(Gd_2O_3)-酸化バナジウム、(V_2O_5)系、酸化イットリウム(Y_2O_3)-酸化錫(SnO_2)系等の各種多元系酸化物蛍光体薄膜のコンビナトリアルスパッタリング成膜技術を確立した。 2)エネルギー分散型X線微量元素分析装置(EDX)及びX線光電子分光分析装置(XPS)を用いて、コンビナトリアルスパッタリング法により作製したLa_2O_3ベース多元系酸化物蛍光体母体に対して発光中心材料であるEu,Tm,Ti及びMn等を共添加する蛍光体薄膜を作製し発光中心添加量依存性を明らかにした。それにより、多色発光PL及びELを実現できた。 3)作製した各種多元系酸化物蛍光体薄膜に対して800~1100℃での熱処理を行い、作製された膜の結晶学的特性およびフォトルミネッセンス(PL)評価等を行い成膜条件との関係を調べるた結果、PLとELでは最適熱処理温度がそれぞれ1000℃及び1100℃と異なることを明らかにできた。 4)上記の研究の中で、新たに発見された最適組成及び最適不純物添加量で蛍光体ターゲットを作製し、通常のスパッタリング法を用いて蛍光体薄膜EL素子を作製し、コンビナトリアルスパッタリング法により作製した蛍光体薄膜EL素子と同等のEL特性を実現できることを確認できた。これにより、本コンビナトリアルスパッタリング法で見出した最適組成及び最適不純物添加量が通常のスパッタリング法においても有効であることを実証できた。 以上の成果から、本年度の研究目標は十分に達成できたといえる。
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Research Products
(2 results)