2010 Fiscal Year Annual Research Report
残留オーステナイト測定小型センサー及びシステムの開発
Project/Area Number |
20560682
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
笹栗 信也 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50215737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 雄治 大分大学, 工学部, 准教授 (00373184)
山本 郁 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 准教授 (00325515)
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Keywords | 高クロム鋳鉄 / 多合金白鋳鉄 / 球状黒鉛鋳鉄 / 小型電磁気センサ / 残留オーステナイト |
Research Abstract |
小型電磁気センサを使用し、Cr含有量が異なる高クロム鋳鉄の場合や、多合金白鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄等における残留オーステナイト含有量Vγの測定を実施した。 (1)高クロム鋳鉄の残留オーステナイト量の測定 ここではCrが17%と26%でMoが2%、Crが26%でNiが2%の3種類の高クロム鋳鉄を検査対象とし、Vγが異なる鋳鉄を電磁気センサで測定した際、検出コイルに得られる磁束密度の値の低下度合いB_ηについて検討を行った。電磁気センサに流す励磁条件は500Hz、0.5A一定で、電磁気センサと試験鋳鉄との隙間LoはOmm一定で実験を行った。この結果、Cr、Mo、Niの各値を変化させても明確な違いは得られず、Vγが増加するに伴って、B_ηが同じ割合で低下する事が分かった。 (2)多合金白鋳鉄の残留オーステナイト量の測定 Cが2.13%と2.41%の多合金白鋳鉄を検査対象とし、Vγが異なる鋳鉄を電磁気センサで測定した際、検出コイルに得られるB_ηの低下度合いについて検討を行った。また電磁気センサに流す励磁条件は500Hz、0.5A一定とし、電磁気センサと試験鋳鉄との隙間LoはOmm一定で実験を行った。その結果、C=2.13%の結果の方がC=2.41%の場合よりもVγが増加するに伴うB_ηは小さい事が分かった。 (3)球状黒鉛鋳鉄の残留オーステナイト量の測定 ここでは焼入れ温度が異なる球状黒鉛鋳鉄を検査対象とし、Vγが異なる鋳鉄を電磁気センサで測定した際、検出コイルに得られるB_ηの低下度合いについて検討を行った。焼入れ温度変化は、900度~1030度の範囲で行い、各焼入れ温度におけるVγ変化に伴う検出コイルに得られるB_ηの実験を行った。その結果、どの焼入れ温度においてもVγが増加するに伴って検出コイル内のBnは同じ割合で低下傾向を示し、球状黒鉛鋳鉄の焼入れ温度による影響は、あまり見られないことが理解できた。この事から、球状黒鉛鋳鉄の場合、焼入れ温度に関係無く、Bnの値からVγの測定が行える事が分かった。
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