2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560686
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
秋山 英二 National Institute for Materials Science, 新構造材料センター, 主任研究員 (70231834)
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Keywords | トライボコロージョン / 腐食磨耗 / 腐食 / 電気化学 / 不働態皮膜 / 水素脆化 / 磨耗 / 破壊 |
Research Abstract |
ピエゾアクチュエータに取り付けたダイヤモンド圧子により,電極表面を局部的に破壊し,それに伴う再不働態間に対応する電流遷移を高速で測定するシステムを,ピエゾアクチュエータ,ピエゾドライバ,ポテンショスタット,ファンクションジェネレータ,高速のデータロガーを組み合わせて構築した.インデンテーションと高速遷移電流の測定をコントロールするプログラムを作製した.3軸ロボット上に固定し,位置決め再現性を高めることにより,試料上の特定の場所でのインデンテーションを可能とした. 一方,表面皮膜破壊の影響による,下地金属への水素侵入とそれが水素脆化に及ぼす,トライボコロージョン助長水素脆化割れの検討の前段階として,高強度鋼への大気腐食環境下での水素侵入挙動を,サイクル腐食試験と大気暴露に供した試料中の水素濃度を昇温脱離分析によって求めた.また,大気腐食により水素が侵入した試料の引張試験を低速で行い,侵入水素が破断応力に及ぼす効果を調べた.その結果,侵入水素量に応じた破断応力の低下が確認され,また,大気腐食環境の腐食性に応じた水素侵入量の差を確かめることが出来た.さらに,電気化学的水素透過試験を用い,腐食速度が直接的には水素侵入を支配せず,表面のpHなどの変化によって,その効率が左右されることを確かめた.ここで用いた解析手法は,トライボコロージョン環境下での例えば摺動部に用いられる生体材料や機械部品等の水素脆化による破壊の解明に役立つことが確認できた.
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Research Products
(2 results)