2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560686
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
秋山 英二 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主任研究員 (70231834)
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Keywords | 腐食 / トライボコロージョン / 不働態 / 水素脆化 / 遅れ破壊 / バルブメタル / 高強度鋼 / 大気腐食 |
Research Abstract |
皮膜破壊後の再不働態化による電流遷移を高速で測定する、ピエゾアクチュエータ、ピエゾドライバ、ポテンショスタット、関数発生器および高速データ取り込みの可能なデータロガーを組み合わせた作製装置を用いた、酢酸-酢酸ナトリウム水溶液中でのAlおよびTiの皮膜破壊後の電流遷移は両対数プロット上の直線関係に則り高電場モデルに従うことが推定され、不働態皮膜修復機構がトライボコロージョン特性に大きく影響することが考えられた。一方、転胴部、摺動部などのトライボコロージョン環境における金属への水素侵入による水素脆化の検討を行う前段階として、大気腐食環境における高強度鋼の水素脆化挙動を切欠丸棒引張試験片を用いて検討した。大気腐食を模擬したサイクル腐食試験および大気暴露後の試験片を、大気腐食における最も活性な水素侵入を再現すると考えられる湿潤環境で低速引張試験をすることにより、各強度の鋼の水素侵入特性を考慮した水素脆化特性を評価した。この評価による高強度鋼の水素脆化感受性順位は、同鋼種で作製したボルトの暴露試験によって得られたボルトの破断確率による評価結果と一致し、妥当な評価方法であることが確かめられた。水素トラップを含む1700MPa級超高強度鋼は比較的大きな破壊限界の水素量を有するが、同時に腐食によって鋼中に侵入する水素量も上昇させるため、耐水素脆化特性の向上の効果は見られなかった。大気腐食を模擬したサイクル腐食試験によって侵入する水素量変化を電気化学的水素透過試験により行った結果、時間とともに侵入量が増加する傾向が確かめられ、この原因として生成錆のpH低下が寄与していると考えられた。
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Research Products
(10 results)