2009 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス水系サスペンションの電気泳動堆積における無気泡固化成形技術の確立
Project/Area Number |
20560687
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
打越 哲郎 National Institute for Materials Science, ナノセラミックスセンター, 主席研究員 (90354216)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (50267407)
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, センター長 (00354217)
|
Keywords | 電気泳動堆積 / サスペンション / 水系 / 直流パルス / 気泡 / 固化成形 |
Research Abstract |
水系サスペンションにDCパルス電場(矩形波)を印加すると、気泡発生のない良好な膜質の堆積層が形成できることを見出し、パルス電圧・電流やON/OFF時間などが気泡生成・抑止に及ぼす条件を系統的に検討している。通常のコロイドプロセスでは、安定したサスペンションの調製しやすさにより粒子を正、負どちらに帯電させるかが選択される。その場合、EPDプロセスでは、粒子表面の帯電極性の正負に依存して負または正極側に粒子が堆積する。しかし、ゼータ電位の絶対値が同じサスペンションでも、正極側と負極側で堆積量が異なったり、膜質に差があったりするケースが認められた。そこで、中性付近に等電点を持つアルミナを用い、通電時の基板近傍におけるサスペンションpHの変化を比較したところ、カソード側では、アノード側に比べpH変化が大きく、より強い凝集効果が作用することが示唆された。また、アノードデポジションで堆積量や膜質が劣る場合において、アニオン性分散剤で粒子を修飾し等電点を酸性側に少しずらすと、堆積量や膜質が著しく改善されることがわかった。また、カソードデポジションを対象に、陰極で発生する水素量に及ぼすDCパルス周波数の影響を調べるため、水素吸収能に特に優れたパラジウムを陰極とし、パラジウム陰極板を精密天秤に吊るした状態で通電時の重量増加を連続的に調べた。その結果、パルス幅を短くするほど重量増加は少なくなり、水素発生量が減少することが判明した。このことから、DCパルスによる気泡抑制の理由が、水の電気分解反応自体を抑制することに起因することがわかった。
|