2010 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス水系サスペンションの電気泳動堆積における無気泡固化成形技術の確立
Project/Area Number |
20560687
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
打越 哲郎 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主席研究員 (90354216)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (50267407)
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, センター長 (00354217)
|
Keywords | 電気泳動堆積 / サスペンション / 水系 / 気泡 / 固化成形 / 水素吸蔵合金 |
Research Abstract |
セラミックス水系サスペンションの電気泳動堆積プロセスにおいて問題となる電極基板表面でのガス発生を防止し、高密度な粒子堆積膜や成形体を作製するため、(1)電場のパルス印加による気泡の防止、(2)基板材料の選択による気泡の防止、(3)溶媒の調製による気泡の防止、の3つの視点から、気泡を含有せず高密度な粒子固化膜や固化成形体が得られる条件を探索した。これまでに、DC印加時におけるカソードおよびアノード近傍における溶媒pHの実測から、通電による基板近傍のpHローカリゼーデョンシフトを確認しており、このpHが粒子の等電点に近いと粒子堆積が起こりやすいことが経験的に示されている。そこで、粒子表面を高分子電解質で修飾し等電点を意図的に制御したサスペンションを作製して、粒子が堆積しやすいサスペンションの調製条件を検討した。その結果、DC印加時におけるカソードおよびアノード近傍における溶媒pHが粒子の等電点に近い状態に粒子表面のチャージを制御することで、粒子堆積が起こりやすくなることが実証できた。また、EPD法による粒子堆積メカニズムが、粒子間の静電反発ポテンシャルが失われることによりファンデルワールス力で凝集するという古典的なDLVO理論で説明できることが実証できた。カソードデポジション時における水素気泡発生を電極基板で吸収し抑止することを目的とし、優れた水素吸蔵金属として知られるV、V-15%Ni、Pdで水素気泡を比較したところ、VおよびV-15%Niでは気泡の発生は抑制できず、唯一Pd基板の使用時で気泡生成の抑制された緻密な固化成形体が作製可能であった。さらにアノードデポジション時における電極基板での酸素防止を、還元剤として知られるアスコルビン酸のサスペンションへの添加により試みたが、長時間にわたる酸素気泡発生の抑止はできなかった。
|
Research Products
(16 results)