2009 Fiscal Year Annual Research Report
銅溶錬プロセスにおける貴金属のスラグ損失に関する基礎研究
Project/Area Number |
20560690
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山口 勉功 Iwate University, 工学部, 教授 (70220259)
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Keywords | 白金 / 溶解度 / 鉄シリケートスラグ / 酸素分圧 / 分配比 |
Research Abstract |
銅を含まない鉄シリケートスラグへの白金の溶解度を調べる目的で、CO-CO_2混合ガス(75~100cc/min)を用いて、2CO(g)+O_2(g)=2CO_2(g)の平衡反応で酸素分圧をlogpo_2=-9~-6程度に制御し、35mass%SiO_2-65mass%FeOx系スラグと純粋な白金を平衡させる実験を1300℃で行った。白金の溶解度は酸素分圧の増加に伴い増加する。その溶解度は3~6ppm程度であった。また、銅を含む鉄シリケートスラグへの白金の溶解度を調べる目的で、1300℃、酸素分圧logP_<O2>を-9~-6の条件において、鉄シリケートスラグとCu-Pt二元系合金との平衡実験を行った。スラグへの銅溶解度はCu-Pt二元系のCu濃度の増加に伴い大きくなる。一方、スラグへの白金溶解度もCu-Pt二元系のCu濃度の増加に伴い大きくなり、一般的な傾向とは異なる。このことから、スラグ中の白金溶解度は、スラグ中の銅溶解度に極めて敏感であり、スラグ中の銅濃度の増加に伴い、増加することが分かった。よって、スラグ中の白金を低減するためには、スラグ中の銅濃度を小さくすることが極めて有効である。また、1300℃、酸素分圧10gP_<O2>を-9~-6の条件において、鉄シリケートスラグと溶融Cu-Ni二元系合金を平衡させ、白金の分配に及ぼすニッケル、酸素分圧の影響を調べた。また、ソーダシリケートスラグと溶銅間における白金、ロジウム、パラジウムの分配比も測定を試みた。
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