2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能設計に基づく高性能鋳造用結晶粒微細化剤の開発と微細化機構究明
Project/Area Number |
20560691
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 義見 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (50231014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 尚 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (50402649)
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Keywords | 鋳造 / 結晶粒微細化添加剤 / 巨大ひずみ加工 / 繰返し押出し(ECAP) / 凝固 / Al_3Ti粒子 / Al鋳物 / 異質核 |
Research Abstract |
現在,ほとんどのAl合金鋳物の製造において,Al-TiやAl-Ti-BおよびAl-Ti-Cなど,Al-Ti系の結晶粒微細化剤が使用されている.結晶粒微細化効果の発現機構に関しては諸説があり,どの機構が主に作用するかを確証する実験結果は今のところない.この結晶粒微細化効果の発現機構の詳細を解明することは,単に凝固工学に新しい知見をもたらすのみならず,新たな結晶粒微細化剤を提案・開発する上で極めて重要である.研究代表者(渡辺)は,この結晶粒微細化剤に繰返し押出し(ECAP)による強ひずみ加工を施すことにより,結晶粒微細化剤中の異質核が破砕され,有効に働く異質核の数が劇的に増加するため,微細化能力が向上することを見いだしている.同手法では,同一体積分率かつ異なる粒径のAl_3Ti粒子を導入することが可能なため,添加量,鋳造温度,保持時間を変化させ系統立てた鋳造実験を行えば,溶解中のAl_3Ti粒子の挙動が解明できる.そこで本手法を用いて,鋳造中にAl_3Ti粒子が溶解するか否かを調査した.本年の主な成果は以下である.1)ECAP加工時のルートを変えることにより,異質核の破砕効果が異なることを見いだした.2)圧延でもある程度の異質核の破砕が行えることがわかり,この結晶粒微細化剤を用いると,微細化能が向上する.3)結晶粒微細化剤添加後の鋳造Alの微細化能を系統立って調査したところ,最適時間が異質核の大きさによって異なることを見いだした.
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Research Products
(3 results)