2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能設計に基づく高性能鋳造用結晶粒微細化剤の開発と微細化機構究明
Project/Area Number |
20560691
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 義見 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (50231014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 尚 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (50402649)
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Keywords | 鋳造 / 結晶粒微細化添加剤 / 巨大ひずみ加工 / 繰返し押出し(ECAP) / 凝固 / Al_3Ti粒子 / Al鋳物 / 異質核 |
Research Abstract |
溶湯中において有効な不均質核となる物質の条件として,母材金属結晶との原子配列の整合性が良いことが必要であることが知られている.L1_2構造である(Al,Y)_3Tiには,Al_3TiよりもAlとの整合性が良い物質もあり,(Al,Y)_3Ti粒子を不均質核として利用すれば,従来微細化剤よりも高い微細化性能を発揮する可能性がある.また,固相Al自身は不整合度がゼロであるため,これを核とする手法もあるであろう. そこで,前者の実験として本年度はAl_5CuTi_2に関して研究を行った.放電プラズマ焼結法により低温短時間での焼結を行うことにより,本来平衡に存在しない不整合度のより小さなAl_5CuTi_2不均質核粒子を含むAl-Al_5CuTi_2結晶粒微細化剤の製造を行った.作製した微細化剤を用いて鋳造実験を行った.その結果,本研究で作製したAl-Al_5CuTi_2微細化剤を添加することで,Al鋳造材の結晶粒微細化が達成されたことがわかった.さらに本研究で作製した微細化剤は,保持時間に対してAl-Al_3Ti従来微細化剤と同様の挙動を示すことがわかった. 後者の実験として,鋳造AlにAl切削屑の添加を行う実験も行った.その結果,鋳造材の結晶粒微細化が認められた.Alワイヤーおよびステンレス鋼ワイヤーを用いたモデル実験を行ったところ,結晶粒微細化の要因は1)投入された切削屑がAl溶湯の熱を奪うことで凝固を促進させたこと,2)Al溶湯が凝固する際に残存した切削屑が核生成サイトとして作用すること,の重畳効果によるものであることが見出された.
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