2010 Fiscal Year Annual Research Report
軟化成形プロセス制御によるナノフォトニクスガラスの創製と特性
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20560693
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
武部 博倫 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (90236498)
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Keywords | 酸化物ガラス / ナノ構造 / 熱インプリント法 / 高温物性 / ガラスファイバ / プロセス工学 / フォトニクス / ナノインテグレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、多成分ガラスについて、高温での軟化成形プロセスを高度に制御し、マイクロ/ナノレベルでの規則的な構造を有する新しい光デバイスを創製し、その特性を評価することである。 短尺・高出力ファイバレーザー及びフォトニック結晶ファイバ用ガラスを開発するために、耐結晶化性と耐水性を兼ね備えたリン酸塩ガラスの組成設計の基礎として、BaO-P_2O_5系ガラスの耐水性に及ぼすB_2O_3とAl_2O_3の添加効果について、浸出試験前後での重量変化の測定及びAFMによる微細構造の観察とラマン分光法を主とするガラス構造の解析から明らかにした。 ガラス転移温度が300℃以下で耐水性に優れるSnO-P_2O_5-B_2O_3(SPB)系透明ガラスを作製し、H21年度に主に評価したSnO-P_2O_5(SP)系ガラスと比較・検討しながら、その熱的特性と耐水性を評価した。SPBガラスについて、熱インプリント成形法を用いたマイクロパターンの成形条件を検討した。市販の熱機械特性評価装置(TMA)を用い、ペネトレーション法でSPガラスとSPBガラスの粘弾性特性を評価した。熱インプリント成形法による正方格子状マイクロパターンの最適成形温度と粘弾性特性を比較した結果、SP及びSPBガラスの熱インプリント成形温度は概ね10^<11>-10^<12>Pa・sの粘度を示す温度領域と対応することがわかった。 熱インプリント法で成形した微細なパターンを有するガラス基板をテンプレートに用い、インテグレーション構造を形成するために、溶液法で合成した酸化鉄ナノ微粒子をパターン溝へ充填させるための分散溶媒等プロセス条件の検討を行った。SPガラス基板と濡れの良い溶媒を見出し、ガラス基板をナノ微粒子溶液に浸漬し、その後引き上げる方法により、ラインパターンの方向と浸漬方向を平行にすることで、溝にだけ溶液が残り、その後の乾燥過程でナノ微粒子を選択的にライン溝へ配列することに成功した。
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Research Products
(6 results)