2008 Fiscal Year Annual Research Report
特異な表面張力特性を有するナノ流体を用いたインクジェット塗布に関する研究
Project/Area Number |
20560698
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 正秀 Utsunomiya University, 工学研究科, 講師 (10261504)
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Keywords | インクジェット法 / ナノ材料 / ナノ流体 / 薄膜形成 / マランゴニ効果 |
Research Abstract |
(1)インクジェット法による電子回路配線作成プロセスに用いられる高濃度銀ナノ粒子含有インクを迅速に合成可能である、マイクロ波加熱による液相還元銀ナノ粒子合成について検討を行った。高濃度銀イオン/分散安定剤/エチレングリコールからなる反応系での液相還元法に対して、原料溶液組成、マイクロ波/超音波照射時間、照射強度などを変えてナノ流体を合成し、流体中の金属ナノ粒子径、性状、構造と分散安定性を調べた。その結果、種々のナノ粒子調製条件のうち、分散安定剤である高分子の平均分子量が銀ナノ粒子の構造や物性に大きな影響を及ぼすことがわかった。 (3)(1)で合成した各種銀ナノ粒子含有インクをシリコン基板やガラス基板へ最小ドット径20μm程度のインクジェット塗布可能であるクラスターテクノロジー(株)製インクジェット装置と、基板垂直方向および水平方向の2カ所から同時にPC制御・ハードディスク録画可能な2台のCMOSカメラシステムから構成された、各種ナノ粒子含有インクのインクジェット塗布挙動やインクジェット滴の基板への着弾、乾燥から薄膜形成にいたる過程を観察できるシステムを構築した。 (3)(1)で調製した各種銀ナノ粒子含有インクを(2)で構築したインクジェット塗布装置で塗布したときの、粘度、表面張力などの物性値/インクジェットヘッド駆動電圧/液滴吐出状態に関するマップを作成し、安定な吐出状態を実現可能な液物性やインクジェットヘッド駆動パラメータについての知見を得た。
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