2008 Fiscal Year Annual Research Report
低温脱離基を有する高分子膜の低温焼成による高性能CO2分離膜の開発
Project/Area Number |
20560705
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 一宏 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30188289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 英敏 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10177826)
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Keywords | 化学工学 / 地球温暖化ガス排出削減 / 反応・分離工学 / 高分子構造・物性 / 環境材料 |
Research Abstract |
ミクロ孔を有する焼成膜の前駆体高分子を開発するため、以下の研究項目を実施した。 1.400℃までは熱分解しない芳香族ポリイミドに、400℃以下で分解、脱離すると期待される成分を化学的または物理的に導入した膜を、次のように作製し、構造を解析した。 (1)ヒドロキシル基を側鎖に持つ耐熱性芳香族ポリイミドを合成し、無水酢酸、無水イソ酪酸、またはt-ブチルジメチルシリルクロライドと反応させた。ヒドロキシル基に対して、酢酸残基とイソ酪酸残基は100%、t-ブチルジメチルシリル基は80%、それぞれ導入できた。 (2)芳香族ポリイミド溶液に分子量が600のポリエチレングリコールを混合して、上記と同様、製膜した。ポリエチレングリコールの含有量が10%の均一なブレンド膜を作製できた。製膜には、蒸発した溶媒を回収できるよう独自に開発したオーブンを用いた。 2.これらの膜の熱分解特性を評価した。酢酸残基の脱離は200〜500℃の広い範囲で、イソ酪酸残基も280〜420℃の範囲で、t-ブチルジメチルシリル基は100〜200℃の範囲で、脱離した。一方、ブレンド膜は350〜400℃の比較的狭い温度範囲で脱離することを確認した。 3.既存の気体透過実験装置を、本研究において効率良くデータが得られるよう改造した。 4.脱離後の空孔が保持されるようブレンド膜を紫外線架橋した後、350℃で焼成した。 5.各膜の気体透過実験を行った。焼成膜の気体透過性は、低温脱離成分をブレンドしていない膜と比べて2〜4倍向上したが、選択性は低下した。しかし、選択性の低下はあまり大きくなく、低温脱離成分によりナノサイズのミクロ孔が生成した可能性がある。
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Research Products
(4 results)