2009 Fiscal Year Annual Research Report
低温脱離基を有する高分子膜の低温焼成による高性能CO2分離膜の開発
Project/Area Number |
20560705
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 一宏 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30188289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 英敏 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10177826)
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Keywords | 化学工学 / 地球温暖化ガス排出消減 / 反応分離工学 / 高分子構造・物性 / 環境材料 |
Research Abstract |
低温で脱離する低分子成分を耐熱性高分子膜に導入し、その膜を焼成することでミクロ孔を有する高分子膜を作製する技術の開発を行った。具体的には以下の研究項目を実施した。 1. 低温脱離成分を導入するマトリックスとなる耐熱性高分子として、紫外線を照射すると架橋する芳香族ポリイミドを合成した。このポリイミド膜に溶媒であるメチルピロリドンNMPを残留させた膜を作製した。この膜を紫外線により架橋した後、200℃において乾燥することでNMPを除去した。NMPを含んだ状態で光架橋して得た膜の密度は、NMPを含まずに光架橋して得た膜のそれよりも0.5~0.6%低かった。密度の減少は自由体積の増加を意味する。この結果は、低温脱離成分の導入と架橋後の除去によりガス透過性の高い膜を作製できる可能性があることを示す。 2. 上記とは別のマトリックスとして、水酸基を有するポリイミドを合成した。触媒の存在下、このポリイミドとアダマンチルカルボン酸を反応させることでアダマンチル基を有するポリイミドを合成した。水酸基の89%にかさ高なアダマンチル基を導入できた。この反応中にポリイミドの分子量が低下し、膜を得ることができなかったが、触媒の種類等の条件を詰めることで脱離可能なアダマンチル基を持つ高分子膜の作製が可能であると考えられる。 3. 新たなマトリックスとして、加熱処理により架橋する芳香族ポリイミド膜の作製を試みた。前駆体であるポリアミド酸を合成し、メリト酸ヘキサメチルMHMと混合し加熱処理することで溶媒に不溶なフィルムを作製することができた。第3のマトリックスとして期待できる。
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Research Products
(2 results)