2010 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波瞬時加熱法を用いた微粒子表面の非等方的修飾法の開発
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20560711
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
村上 能規 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70293256)
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Keywords | 衝撃波 / 加熱 / 微粒子 / 異方性 / 表面修飾 / プラズモン / 超臨界二酸化炭素 / 炭素被覆 |
Research Abstract |
微粒子の表面を修飾、改質して様々な新規の物性を発現させる研究が盛んに行われている。そこで、本研究では衝撃波による瞬時加熱とそれらによる表面状態変化を利用することで簡便な微粒子表面の部分的表面修飾法の開発とその応用について検討を行った。衝撃波源としてはレーザ加熱を用い、不均一場として超臨界二酸化炭素加圧した銀ナノ微粒子を含む水溶液にレーザ集光照射することで銀ナノ微粒子に異方性を持った表面修飾が可能かどうかを調べた。銀ナノ微粒子は400nm近傍にプラズモン吸収を持つため、紫外可視吸収スペクトルを測定するだけで簡単に銀ナノ微粒子の表面構造が確認できる。まずはレーザ照射前の銀ナノ微粒子の紫外可視吸収スペクトルを測定した。その結果、400nmにプラズモン吸収が明確に表れ、ナノ微粒子表面において銀が露出していることが確認できた。そこで、超臨界二酸化炭素加圧下で銀ナノ微粒子を水中に浮遊させ、レーザを集光照射した。その結果、銀ナノ微粒子のプラズモン吸収は長波長側にシフトし、表面状態が変化することが分かった。銀ナノ微粒子の表面状態の異方性を吸収スペクトルで確認しようとしたが、特に確認できなかった。また、透過型電子顕微鏡による観察も行ったが、そのような異方性は見ることができなかった。これはレーザ照射した微粒子が気液界面に存在しないで液内部に大部分が存在していることでないかと考えている。しかし、レーザ照射による銀表面の変化がプラズモン吸収により確認できた。そこで、溶媒を水からトルエンにかえて、銀ナノ微粒子にレーザを集光照射し、銀のプラズモン吸収がどのように変化したかを調べた。その結果、銀のプラズモン吸収は消滅し、銀に炭素由来の被膜ができていることが確認できた。そのことをさらに確認するためにトルエン溶液中に銀のナノ微粒子を含浸させ、レーザを集光照射し、同様の効果が見えるかどうか調べた。トルエン溶液においても銀のプラズモン吸収は消滅し、レーザによる銀ナノ微粒子表面修飾が可能であることが実証された。
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Research Products
(3 results)