2008 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた排水中VOCの高速分離・完全無害化システム
Project/Area Number |
20560713
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 啓司 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80293645)
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Keywords | 超音波霧化 / 液滴発生量 / 液柱 / 蒸発 / 超音波キャビテーション / 超音波場の重ね合わせ / KI水溶液 / 反応速度 |
Research Abstract |
超音波霧化分離装置における霧化流量の増大を目的とし、本年度は霧化による液滴発生量の定量化を行い、液滴発生量に及ぼす操作因子の影響を明らかにした。2.4MHzの超音波振動子(直径20mm)を矩形槽(200×120×200(高さ)mm)の底面中央に取り付け、液滴を排出するために装置上部にキャリアガスを流した。試料を水500mLとし、照射時間を10分後における装置全体の重量変化を電子天秤で測定した。超音波による霧化は液滴の発生と液柱からの蒸発が併発する現象のため、液送ポンプで液柱を再現して蒸発の寄与を見積もることにより、液滴発生量の定量化を可能とした。液滴発生量は液柱からの蒸発量とほぼ同じ程度であった。液滴発生量は液柱の高さが35 mm、また、振動子印加電力が10Wを超えると急増することが明らかとなった。これらの成果から、霧化流量の増大の指針が立った。 超音波キャビテーション分解装置における分解速度の増大を目的として、超音波場の重ね合わせの影響を検討した。矩形槽(120×120×350(高さ)mm)の側面の上・中・下部に3箇所、および底部中央に500kHzの超音波振動子(直径50mm)を取り付けた。0.1MのKI水溶液4.5 Lを試料として、2つの振動子を駆動させ、照射時間を30分後におけるI_3^-生成量を測定した。I_3^-生成量は超音波場を重ね合わせることにより増大し、その度合いは振動子印加電力とともに増大した。また、側面上部の振動子と底部の振動子を用いた場合に超音波化学反応速度が最も高くなることが明らかとなった。このことから、超音波分解反応装置における超音波振動子の設置位置、印加電力の最適条件が明白となった。
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