2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた排水中VOCの高速分離・完全無害化システム
Project/Area Number |
20560713
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 啓司 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80293645)
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Keywords | 超音波霧化 / 超音波周波数 / 音圧 / 粒子速度 / 超音波キャビテーション / 微粒子添加 / 流動 / 反応速度 |
Research Abstract |
排水中VOCの分離を高速化するには、霧化量の増大が必要である。霧化量に及ぼす超音波周波数、印加電力などの影響について検討した。超音波霧化には、振動子から発振される超音波の音場を合わせるために、超音波周波数、振動子の大きさをそれぞれ、0.5MHz:60mm、1.0MHz:30mm、2.4MHz:14mmと変えて、水を用いて実験した。その結果、霧化量が最大となる液高はそれぞれの周波数に対して最適値をもち、周波数が高くなるほど低くなった。さらに、超音波周波数が高いほど霧化液滴数が多いが、霧化流量(体積)は超音波周波数が低いほど大きくなった。また、霧化量は印加電力がある値を超えると印加電力に対して直線的に増加した。それぞれの周波数における霧化が始まる印加電力における液面中心での音圧振幅、最大粒子速度は周波数にかかわらず0.3MPa、0.2m/sほどであった。このことから、超音波因子の影響が明白となり、霧化量増大について重要な指針が得られた。 排水中VOCを高効率で分解するためには、超音波キャビテーションの増強が求められる。増強方法として、微粒子添加、流動に着目し検討を行った。その結果、数10μmのけい砂、関東ロームを加えた場合、微量添加ではトリクロロエチレンの分解速度が増大したが、過剰に添加すると低下した。また、攪拌による流動により分解速度が増大した。これらは、キャビティ核の供給、キャビティの分散などにより、反応に有効なキャビテーションが増強したためと考えられる。以上のことから、微粒子添加、攪拌による流動が排水中のVOC超音波分解に有効であることが明らかとなった。
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