2008 Fiscal Year Annual Research Report
長期連続運転を考慮した大規模化学プランにおける流量計の故障診断と測定値の補正
Project/Area Number |
20560714
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柘植 義文 Kyushu University, 工学研究院, 教授 (00179988)
|
Keywords | 故障診断 / 流量計 / 測定値補正 / 保全 / 長期連続運転 |
Research Abstract |
平成20年度は,プラント運転中に測定誤差が大きな流量計を探索すると同時に,全ての流量計の測定誤差を推定するプログラムの開発と検証を行った.すなわち,管理幅を逸脱する測定誤差を持つ故障流量計の候補集合Sが与えられたとき,故障流量計の候補については管理幅を超える誤差推定を,それら以外の流量計については管理幅以内の誤差推定を行う問題は不等号および等号制約条件のある非線形最適化問題となるが,本研究では,いったん不等号制約条件だけをはずした問題を考えて,二次計画問題として定式化することによって,最終的には連立方程式を解くだけの問題に帰着させた.その結果得られる解が除去した不等号制約条件を満足していれば,そのまま解として採用できる.さもなければ,元々の故障候補集合自体の仮定が違っている(Case1),あるいは,不等号制約条件を満足するように解を修正する必要がある(Case2).(Case1)に対しては,故障候補集合の仮定を変更して二次計画問題を解けばよい.一方,(Case2)に対しては,不等号制約条件を満足するように解を修正するプログラムを開発した.検証は,定常シミュレータHYSYSにより作成したエタノール精製プラントの定常運転データに対して,様々な故障流量計の組合せ(今回は同時に1個または2個)および故障の大きさを想定した定常状態測定データに基づいて行った.その結果,誤差推定を行う前の故障診断で1組の故障候補集合が得られる場合は,多くの場合において適切な誤差推定結果が得られた.また,複数の故障候補集合が得られる場合においても,それぞれの誤差推定結果を比較することにより,故障流量計の絞込が可能のあることが分かった.さらに,故障診断で見逃していた場合でも,誤差推定を行うことによって故障流量計を検出できることが分かった.
|
Research Products
(2 results)