2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560721
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
片田 直伸 Tottori University, 工学研究科, 准教授 (00243379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 幹 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (10023334)
奥村 和 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (30294341)
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Keywords | ゼオライト / 固体酸触媒 / 量子化学計算 / アルカン分解 / 石油精製 / 構造活性相関 / アンモニアIRMS-TPD / 赤外分光 |
Research Abstract |
(1) 近距離構造因子と酸強度の相関 各クラスターモデルについて酸強度に直接影響を及ぼすと思われる近距離構造因子を算出し,アンモニア吸着エネルギー(Eads)との相関を調べた.具体的には,SiO距離,A10距離,SiOA1角度,OHと再近接のA10のねじれ角の4因子が近距離構造を代表すると仮定し,まず4因子間の相関を調べたところ,SiO距離とA10距離は対応しているので1つの因子と見なしてよいことがわかった.つぎにA10距離,SiOA1角度,OHと再近接のA10のねじれ角の3因子とEadsとの相関を調べた.具体的には,Eadsが3因子の和で表されると仮定したときの3因子の寄与を数値化した.するともっぱらA10距離で決まっていることがわかった.A10距離が短いほどEadsが大であった.それだけではなく,OHの電荷も正に大であった.このことは,ルイス酸性のA1にOHが押しつけられると電子が求引されHのブレンステッド酸性が強くなることを意味しており,合理的である. (2) 近距離・長距離構造因子間の相関確立 A10距離はSiOHA1ユニットを囲む6酸素原子の位置によって決まっていた.具体的には,左側の3原子からなる三角形と,右側の3原子からなる三角形の中心間距離と平面角に適当な係数をかけて足すとA10距離と一致した.このことは,結晶骨格の構造によって生じる圧縮力によってSiOHAlユニットが横から押されるとA10距離が縮み,酸強度が強くなることを意味している.ここまでで,ゼオライト骨格内酸点の強度を制御している因子が明らかとなった. (3) 活性化エネルギー測定 オクタンに加え,へきサン分解の活性化エネルギーもEadsに平行で,ブレンステッド酸強度によって活性が制御されることがわかった.前述の内容とあわせると,ゼオライトの酸点の触媒作用は圧縮力で決まっていることが明らかとなった.
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