2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560723
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
古南 博 Kinki University, 理工学部, 准教授 (00257966)
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Keywords | 酸化チタン / 熱-光触媒 / メタノール / ギ酸メチル |
Research Abstract |
工業化学および石油化学の分野において触媒はその物質変換を担う重要な材料である。通常、触媒と呼ばれるものは熱触媒(thermocatalysis)を示し、反応速度が大きいが、多くの場合加熱が必要である。一方、光触媒は非常に強い酸化力をもち、反応は室温で進行するが、反応速度は小さい。光触媒と熱触媒の特徴を併せもつ触媒材料を開発し、両触媒作用を協奏的に機能させることにより優れた総合的触媒機能が期待できる。本研究では、両触媒作用を併せもつ触媒を調製し、その光・熱触媒作用をメタノールの変換反応を用いて評価した。 光および熱触媒として酸化チタン(触媒学会参照酸化チタンTIO-8)を用い、これをガラス表面(48cm^2)にコーティングし、400℃で熱処理後反応に用いた。酸化チタンのコーティングには酸化チタンの分散液を用いた。外部光照射-内部加熱型反応装置を自作し、メタノールの変換反応に用いた。Air雰囲気下で20-24μmol min^<-1>のメタノールを流通させた。光源にはブラックライト(1800μW cm^<-2>)を用いた。反応生成物はGCを用いて分析した。室温~623Kにおける反応結果を検討した。本流通条件下、酸化チタンは熱触媒作用を示さなかった。UV照射条件下ではメタノールは転化し、温度を上げるにしたがい転化率は増加した。この結果は、酸化チタンによる熱触媒作用と光触媒作用が協奏的に機能していることを示唆している。この条件では、メタノールの酸化的脱水素および二量化反応が進行し、室温および523Kにおいて高い選択率(90,88%)でギ酸メチル(HCOOCH_3)が生成することを見いだした。それより高温では、一酸化炭素(CO)の生成が優勢となり、メタノールの選択的部分酸化能が発現することが明らかになった。
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