2008 Fiscal Year Annual Research Report
米由来抗菌タンパク質のプロテオーム解析とその歯周病菌に対する殺菌作用機構の解明
Project/Area Number |
20560725
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 正之 Niigata University, 自然科学系, 教授 (00163634)
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Keywords | 歯周病 / 抗菌タンパク質 / 米 / 米ぬか / 飛行時間型質量分析計 |
Research Abstract |
精白米および米ぬかの抗菌タンパク質・ペプチドの網羅的な解析と歯周病菌に対する抗菌活性の発現機構解明について検討し、本年度は以下の結果が得られた。 1.歯周病菌(Porphyromonas gingivalis)に対する精白米および米ぬか由来抗菌タンパク質を、各種クロマトグラフィーや電気泳動を組み合わせて精製し、MALDI TOF-MS/MSを用いて網羅的に同定した。その結果、精白米からArg-ジンジパインに結合する14種類のタンパク質が得られた。また、米ぬかからは抗菌活性を有する画分に数種類のタンパク質を確認できた。 2.歯周病菌の濃度が低い場合でも高感度に抗菌活性を測定するための方法を確立するために、DNA蛍光ラベル法またはATP化学発光法について測定条件を最適化し、従来の濁度法とその性能を比較検討した。その結果、ATP化学発光法は他の方法に比べて、比較的広い濃度範囲で再現性よく抗菌活性を測定できることがわかった。 3.Arg-ジンジパインに結合する14種類の精白米由来タンパク質のアミノ酸配列を比較検討し、塩基性アミノ酸に富んだ12残基のアミノ酸から構成されるペプチドを選択した。このペプチドを化学合成(外注)し、歯周病菌に対する抗菌活性を、ATP化学発光法を用いて測定した。その結果、50%増殖を阻害する濃度は約200μg/mLであることがわかった。
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