2010 Fiscal Year Annual Research Report
米由来抗菌タンパク質のプロテオーム解析とその歯周病菌に対する殺菌作用機構の解明
Project/Area Number |
20560725
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 正之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00163634)
|
Keywords | 歯周病菌 / 抗菌ペプチド / 米タンパク質 / Cyanate hydratase |
Research Abstract |
精白米の抗菌タンパク質・ペプチドの網羅的な解析と歯周病菌に対する抗菌活性の発現機構解明について検討し、本年度は以下の結果が得られた。 1.CH(14-25)を構成するアミノ酸の抗菌活性に対する寄与を明らかにするために、アルギニン(Arg)とリジン(Lys)の塩基性アミノ酸を1残基または2残基のアラニン(Ala)に置換した9種類のペプチドをそれぞれ化学合成(外部委託)し、それらの抗菌活性を比較した。その結果、C末端のArgとLysの2残基をAlaに置換した場合に、それぞれの抗菌活性が大幅に低下した。したがって、C末端のArgとLysの2残基が特に抗菌活性に大きく寄与していることを明らかにした。 2.CH(14-25)の抗菌作用機構を明らかにするために、細菌の細胞膜を模倣した単一ジャイアントベシクル(GUV)を調製し、次にペプチドを添加することによってGUVの形態変化を直接顕微鏡を用いて観察した。その結果、GUVはCH(14-25)ペプチドによって破裂することが明らかとなった。したがって、CH(14-25)ペプチドは、細胞膜を破壊することによって、歯周病菌を殺菌することが示唆された。 3.新たに緩衝液を用いて砕米から抽出したタンパク質溶液から各種クロマトグラフィーや電気泳動を用いて、歯周病菌に対して抗菌性を示す1種類のタンパク質成分を単一にまで精製できた。この成分の分子量を飛行時間型質量分析計を用いて精確に求めることができ、この成分を同定することができた。
|