2009 Fiscal Year Annual Research Report
増殖形態の最適化によるマンガンペルオキシダーゼの高効率生産
Project/Area Number |
20560727
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
櫻井 明彦 University of Fukui, 工学研究科, 准教授 (40283163)
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Keywords | マンガンペルオキシダーゼ / 白色腐朽菌 / ペレット / 増殖形態 / リグニン分解酵素 / 蛍光染色 / ダイオキシン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
ダイオキシン類などの環境汚染物質の処理方法、あるいはセルロース系バイオマスの前処理方法として、白色腐朽菌、あるいは白色腐朽菌が生産するリグニン分解酵素の利用が期待されている。このため、国内外で多くの研究が進められているが、現在まで実用化には至っていない。この原因としては、分解酵素生産性の高い優良株が得られていないことや、効率の良い培養方法が見出されていないことが挙げられる。 本研究では、白色腐朽菌の増殖形態とマンガンペルオキシダーゼ(MnP)の生産性との関係について明らかにし、増殖形態の制御により実用レベルの酵素生産性を達成することを目的として検討を進めた。今年度はマンガンペルオキシダーゼをコードするmRNAをrealtime RT-PCRにより定量するための条件について検討した。報告されているBjerkandera sp.B33/3のマンガンペルオキシダーゼ塩基配列(accession no.AY217015)、および本実験で使用している白色腐朽菌L-25株のN末端アミノ酸配列を基に、3種類のプライマーを設計してPCR増幅効率を評価した結果、増幅産物の大きさが100bpと200bp程度の2つの領域においてrealtime RT-PCRの定量性が確認できた。このプライマーを用いて培養中のMnP遺伝子の発現量を定量したところ、MnPの生産速度と発現量には相関関係がみられた。また、ペレット状の増殖が可能な培養装置として、直径約20cm、長さ約30cmの横置き円筒型である回転ドラム型バイオリアクターを試作した。このバイオリアクターでは、回転速度を5rpmに設定した培養で直径5-10mm程度のペレット状の増殖が確認できた。現在、mRNAの発現量を解析しているところである。
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Research Products
(4 results)