2008 Fiscal Year Annual Research Report
赤外・近赤外分光法を援用したバイオマス由来の糖を用いる植物細胞培養系の糖代謝解析
Project/Area Number |
20560729
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
末原 憲一郎 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (70291614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 篤 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (40242937)
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Keywords | 植物細胞培養 / バイオマス由来の糖 / 糖代謝 / 赤外分光法 / 速度論的解析 |
Research Abstract |
1. 簡易的な細胞増殖モニタリング法の開発 タバコ細胞において、乾燥重量法による細胞濃度と濁度(OD_<600>)との関係を定式化し、細胞濃度が高い培養液においても希釈することなく測定が可能な(オンライン化に適した)検量式が得られた。アラビドプシス細胞については、凝集・沈殿しやすい性質が明らかとなり、電気伝導度法などの方法を検討する必要がある。 2. 赤外分光法による培養液中糖濃度の同時計測法の開発(検量式の作成) 糖消費については、培養液の赤外分光スペクトルを測定して解析を試みた。その結果、HPLCや比色法に替わる方法で、かつ数種類の糖を同時に計測する手法を確立した。これにより、タバコ細胞とアラビドプシス細胞の両方で、スクロース、スクロースの分解物であるグルコースとフルクトースが同時に計測できた。バイオマス由来で生成すると思われる他の単糖類と二糖類についても、順次計測法の確立を進める。 3. 糖代謝の速度論的解析のための予備検討(細胞形態と糖代謝挙動) 上記で確立した計測法により、時間軸の無次元化(細胞増殖曲線を規格化し、糖の取り込み速度などを無次元時間軸上で解析する)による糖代謝挙動の速度論的解析を試みた。タバコ細胞、アラビドプシス細胞共に、糖の取込み挙動が細胞増殖とともに把握でき、糖代謝の速度論的な解析が可能であることがわかった。今後、イネ細胞においても確認する予定である。また、バイオリアクタ培養の準備を進めており、フラスコ培養の比較を行う予定である。
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