2010 Fiscal Year Annual Research Report
赤外・近赤外分光法を援用したバイオマス由来の糖を用いる植物細胞培養系の糖代謝解析
Project/Area Number |
20560729
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
末原 憲一郎 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (70291614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 篤 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (40242937)
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Keywords | 植物細胞培養 / 再資源化糖 / 糖代謝 / 赤外分光法 / 速度論的解析 |
Research Abstract |
1.赤外分光法による培養液中糖濃度の同時計測 グルコース、フルクトース、スクロース、マンノース、ガラクトース、マルトースの糖水溶液を用いて作成した検量式を培養液に適用し、培養液中糖濃度の同時計測法を確立した。これを基に、混合糖(グルコース+フルクトース、グルコース+ガラクトース、およびグルコース+マンノース)について混合溶液中の各糖が定量可能な赤外・近赤外分光情報を特定し、同時計測法を確立した。 2.糖代謝の速度論的解析(細胞種間の特徴抽出) 各単糖の培養結果について、時間軸の無次元化(細胞増殖曲線を規格化し、糖の取り込み速度などを無次元時間軸上で解析する)を施し、それぞれの糖代謝挙動について速度論的解析を行い、アラビドプシス細胞とタバコ細胞について糖の種類に対する糖代謝挙動の違いを明らかにした。 3.モデル糖化液またはバイオマス由来糖化液を用いた培養の基礎検討(研究総括) これまでに行ってきた計測手法と解析手法について、モデル糖化液(2種類の混合糖)を用いた培養についての基礎検討を行った。混合状態の糖では、それぞれ単糖での培養に対して取込み挙動がお互いの糖に影響しあうことが示された。特にアラビドプシス細胞においては、グルコースの存在がそれ自身とその他の糖の取込み速度に大きく影響することがわかった。つまり、再資源化糖の主成分であるグルコースと混合状態にある(混在する)糖を用いる培養系において、そのプロセス設計には本研究で確立した赤外分光法による糖濃度計測と糖代謝解析が有効であることが示唆された。また、混合糖による糖代謝コントロールの可能性が示唆され、これについては今後の研究で解明する予定である。
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Research Products
(3 results)