2009 Fiscal Year Annual Research Report
好熱菌由来アルドラーゼの探索と糖類関連化合物合成への利用
Project/Area Number |
20560730
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
櫻庭 春彦 Kagawa University, 農学部, 教授 (90205823)
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Keywords | 超好熱菌 / アルドラーゼ / DERA / アーキア / eDNA / キメラ酵素 / PCRスワッピング / 好熱菌 |
Research Abstract |
アルドラーゼは、様々な抗ウイルス剤や抗がん剤、抗高脂血症剤のビルディングブロックや抗菌剤などの合成への利用が期待されている。しかしながら、これまで検討されてきた常温生物由来の酵素は、その不安定性から実用化は達成されていない。一方、高温環境に好んで成育する好熱菌の酵素は、一般に耐熱性が高いだけでなく、有機溶媒や種々の薬品処理などに対しても高い安定性を示すため、好熱菌に安定なアルドラーゼが存在すれば、その応用開発の進展が期待できる。抗高脂血症剤の合成に利用できる2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)は、ゲノム情報からだけでは探索に限界がある。そこで、高温環境から直接取り出したDNA(eDNA)より新規DERA遺伝子の獲得を行った。eDNAを鋳型とし、DERA遺伝子増幅用縮重プライマーを用いてPCRを行い、断片をクローニングし、塩基配列を解析した結果、Staphylothermus marinusやThermococcus onnurineus、Anoxybacillus flavithermusなど、超好熱菌や好熱菌と高い同一性を示すことが判明した。取得した遺伝子はDERAの部分配列であるため、すでに構築している複数の超好熱菌由来DNAの発現ベクターの相当配列とスワップし、キメラ酵素を作成することで新たに取得した配列の産物を評価する系を構築した。得られた13種類の新規配列のうち3種類を選び、PCRスワッピング法を用いてキメラDERA発現ベクターの構築を行った。作製した3種類のキメラDERA発現ベクターで大腸菌を形質転換して得られた発現産物は、全てにおいてDERA活性を示すことを確認した。キメラ酵素の熱安定性は野生型に比べ劣っているが、基質に対する親和性は、野生型と同程度であることが明らかになった。今回、キメラ酵素を作製することによりeDNAから取得した新規DERA遺伝子の評価系を確立できた。
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