2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560731
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
永谷 尚紀 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90351072)
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Keywords | イムノクロマト法 / 界面活性剤 / 金ナノ粒子 / バイオセンサー / 抗原抗体反応 / polymerase chain reaction(PCR) |
Research Abstract |
食品中の病原菌、大腸菌0-157を検出するための高感度イムノクロマト法を確立する予定であったが、大腸菌0-157が新規に入手困難となり、大腸菌群、ウェルシュ菌を対象として検討を行った。大腸菌群に対しては細菌の外膜にあるリポ多糖(LPS)に対する抗体を用いて、ウェルシュ菌はラビットにウェルシュ菌を感作させ得られた抗体を用いて、それぞれのイムノクロマトテストストリップを作製し、界面活性剤による高感度のイムノクロマト法の検討を行った。その結果、界面活性剤(Tween 20)を3%加えた緩衝液で希釈することによって、大腸菌群、ウェルシュ菌の検出感度は向上したが、通常、2日必要とする検査を1日で終える感度には達しなかった。食品流通の現場では、迅速な金病原菌の検出が求められているため、目標とした検査を1日で終える高感度イムノクロマト法の実現は重要な課題である。そこで、イムノクロマト法と遺伝子増幅(PCR)を組合わせた方法の検討を行った。方法は、大腸菌群、ウェルシュ菌の持つ特異配列をFITC(Fluorescein isothiocyanate)、Biotinで標識したプライマーで増幅し、イムノクロマトテストストリップに坑FITC抗体を固定し、金ナノ粒子で標識された坑Biotin抗体を用いて大腸菌、ウェルシュ菌の検出を行った。その結果、それぞれの菌体とも100cfu/mL程度の菌体での極めて高感度の検出が可能であった。この感度であれば、1日で食品への病原菌の付着の検査が可能であり。さらに、PCRの装置を工夫することによって食品流通の現場での検出も可能となる。
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