2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560733
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長山 和史 Kochi National College of Technology, 物質工学科, 准教授 (00270364)
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Keywords | 酵素反応 / 化学工学 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本研究の目的は、気固相媒体における固定化酵素(アルコール脱水素酵素、ケトン還元酵素)による連続的還元反応を実験的に考究し、本法が適する反応系の探索とともに最適な酵素活性を発現する操作条件を明確にし、本法による反応プロセスを構築するための基礎指針を確立することである。なお、本研究では、非多孔性ガラス粒子を担体とした固定化酵素を調製し、反応に供した。平成21年度に得られた研究成果は、次の通りである。1.固定化酵素の調製時に用いる緩衝液の塩濃度、補酵素濃度により固定化酵素の反応活性が変化し、最適な固定化条件の存在を見出した。2.反応基質として2-ブタノン、4-メチルー2-ペンタノール並びにアセトフェノンを用いた系で立体選択的にキラルアルコールが生成することを見出した。また、これらの反応系において酵素とともに固定化された補酵素NADHの再生を2-プロパノールを基質として行うことにより、連続的な反応操作が実現できることを示した。3.反応器内の基質の滞留時間を指標とした反応率、反応器への供給気体の水分濃度と基質濃度並びに反応温度を指標として、固定化酵素の反応活性、エナンチオ過剰率並びに半減期を実測し、最適な反応条件を明らかにした。4.固定化酵素の安定性が気体中において大きく向上することを見出した。これら研究成果により、気相中における固定化酵素による連続的還元反応の基礎条件が明らかとなり、本法による反応プロセスを構築するうえでの指針を得ることができた。
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