2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560733
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長山 和史 高知工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (00270364)
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Keywords | 気相媒体 / 酵素反応 / ケトン還元反応 / 立体選択性 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本研究の目的は、気固相媒体における固定化酵素(アルコール脱水素酵素、ケトン還元酵素)による連続的ケトン還元反応を実験的に考究し、本法が適する反応系の探索とともに最適な酵素活性を発現する操作条件を明確にし、本法による反応プロセスを構築するための基礎指針を確立することである。なお、本研究では非多孔性ガラス粒子を担体とした固定化酵素を調製し反応に供し、また酵素と同時に固定化した補酵素の再生を2-プロパノールを基質として行うことにより連続的な反応操作を実現した。 平成22年度に得られた研究成果は、次の通りである。1.本法に適するアルコール脱水素酵素の探索を行い、Parvibaculum lavamentivorans起源の酵素を用いることにより4-メチルー2-ペンタノンの還元反応が進行することを見出した。なお、Deinococcus radiodurans起源、Zymomonas mobilis起源、Bakers Yeast起源並びにYeast起源の酵素は不活性であった。2.反応活性が最大に発揮される固定酵素調整時に添加する補酵素濃度(還元型NADH、酸化型NAD^+)の存在を明らかにした。3.反応器への供給ガスの流量、水分濃度、固定化酵素量並びに反応温度を指標として固定化酵素の活性、安定性やエナンチオ選択性を実験的に求め、最適な反応条件を明らかにした。4.高温耐性アルコール脱水素酵素を用いることにより、気相中における高効率な反応操作の可能性を見出した。このような研究成果を通じて、気相媒体における固定化酵素による連続ケトン還元反応の反応特性を具体的に求め、本法による反応プロセスを構築するうえでの基礎指針を明らかにした。
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