2008 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙塵を推進剤とする宇宙推進機に関する実験的基礎研究
Project/Area Number |
20560736
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山極 芳樹 Shizuoka University, 工学部, 教授 (30220255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 博 静岡大学, 工学部, 教授 (80176411)
國中 均 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (60234465)
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Keywords | 宇宙塵 / 宇宙推進機 / ダストプラズマ |
Research Abstract |
本研究は、ミッション途上に存在する宇宙塵を推進剤にすることで地球から持参する推進剤の大幅な低減を図る新しい宇宙推進システムについて、宇宙塵を模擬した固体微粒子の加速と供給機構の実験を実施して、その実現の可能性を明らかにすることを目的としている。平成20年度は、固体微粒子帯電・加速と供給法実験の装置設計・準備期間として、宇宙塵加速における最適な帯電法について、理論面(犬塚担当)および実験(山極担当)から検討を行い、固体微粒子をダストプラズマ中に供給することで、従来の接触帯電に比べて、3桁高い帯電量を実現した。ただし、まだ、加速機としては不十分であり、粒子をいかに長時間閉じ込めて、帯電量を上げるかが課題である。また、ダストプラズマを通じての帯電は負のイオンとなるため、これをいかに加速するかその加速方法を検討中である。また、粒子の供給装置についても今回提案の加速装置の適合したものを検討中である(國中・山極担当)。全体として、帯電量を従来の方法に比べ大幅に向上さすことができ、加速機としての性能を向上させる方向性を見出すことができたといえるが、まだ、検討事項は多く、来年度以降のより一層の検討が必要である。今年度の研究成果としては、帯電実験・理論については、まだ、研究を開始したばかりで途上であるため、卒業論文としての成果以外、外部での発表までは至っていないが、粒子供給装置については、以前からの継続及び他スラスタへの応用で4件の学会発表を行った。
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