2008 Fiscal Year Annual Research Report
排気バッファ室付きバルブレスパルス燃焼器の高周波数運転による準定常高温噴流の生成
Project/Area Number |
20560737
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
遠藤 琢磨 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00211780)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 熱工学 / 流体工学 / ロケット / パルス燃焼 / デトネーション |
Research Abstract |
本年度は、まず、両端を閉じた円筒管を用い、デトネーション発生の基礎実験を行った。そして、その基礎実験の結果を基に、バルブレスモードで連続運転するパルス燃焼器を設計・製作した。燃焼器本体は内直径16mm、長さ401mmの片端を閉じた円筒管であり、そこに燃料、酸化剤、パージ用ガス供給のための1/4インチ管を取り付けたものである。各々のガス供給管には運転開始・停止用の電磁バルブを取り付け、電磁バルブと燃焼器との間に流量調整用オリフィスを挿入できるようにした。燃料と酸化剤は、供給後の混合を促進するため、燃焼器の閉端近傍の位置で対向噴流として供給した。パージ用ガスは、高温の既燃ガスを閉端近傍から掃気するため、45°の角度で閉端に向かう噴流として供給した。燃焼器側面には、点火用スパークプラグと火炎検出用イオンプローブ、および圧力変換器を取り付けた。ガス種は、燃料としてエチレンを、酸化剤として酸素を、パージ用ガスとしてアルゴンを使用した。これらの各ガス種についてガス供給系統の特性(供給圧および流量調整用オリフィス径と流量との関係)を供給圧および流量調整用オリフィス径を様々に変化させながら測定し、その結果を基にバルブレスモードでの運転条件を決定した。バルブレスモードによる単気筒燃焼器の高周波数連続運転が可能であることを実証するため、運転周波数200Hzでの運転を30サイクル行い、これに成功した。本研究により、電磁バルブの作動限界周波数に制限されない高周波数領域でのパルス燃焼器連続運転法が確立された。このことは、単にパルス燃焼器の運転周波数を格段に向上させただけでなく、故障発生確率の低減にもつながるものである。
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