2008 Fiscal Year Annual Research Report
周期加熱環境下におけるスマート熱制御手法に関する研究
Project/Area Number |
20560741
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
小川 博之 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (60311172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 方星 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10435810)
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Keywords | 宇宙科学 / 環境対応 / 熱工学 / 航空宇宙工学 / 省エネルギー |
Research Abstract |
本研究は,これまで有効な解決策が無かった月・惑星着陸機の夜間保温方法に対し,太陽光周期加熱環境を利用したスマートかつ現実的な熱制御手法を提案,実証することを目的とする。初年度は,本提案を実現させるために高性能マルチエバポレータ型ループヒートパイプ(LHP)の要素研究を中心に行った。以下に本年度成果を記す。 ●LHPの熱輸送能力を向上させるために,新規ウィックの研究開発を行った。具体的には,重量と熱伝導性,耐熱性,耐宇宙環境性の観点からウィック多孔質の材料選定を行い,選定結果に基づいてウィックの試作および特性評価を行った。その結果,平均気孔径の整ったミクロ細孔を有する高性能ウィックを実現することができた。 ●次に,試作ウィックを具備したLHPの性能を確認するため,シングルエバポレータ型LHPを新たに設計,製作した。また,試作したLHPの性能を評価するための特性評価システムを構築し,基本性能を実験的に明らかにした。具体的には,エバポレータの熱負荷量とコンデンサ温度をパラメータとしたスタートアップ特性,定常・過渡特性評価,作動流体封入量依存性に関して詳細な特性評価を行った。 ●月面着陸機に適用可能なマルチエバポレータ型LHPの形状およびリザーバ容積をそれぞれ数値計算により求め,計算結果に基づいてリザーバー体型エバポレータを設計,製作した。また,実用型LHPの作動流体の選定を行い,想定温度範囲(-180℃〜+120℃)において凍結せず,また高い評価関数を有する低凝固点冷媒を選定した。
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Research Products
(4 results)