2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形・非定常船体運動のスペクトル解析に関する研究
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20560744
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
井関 俊夫 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (70212959)
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Keywords | 時変係数自己回帰モデル / 瞬間スペクトル解析 / パラメトリック横揺れ / バイスペクトル解析 / トライスペクトル解析 / 非線形船動揺 / 自航模型船 / 瞬間高次スペクトル解析 |
Research Abstract |
本研究課題では、パラメトリック横揺れ等の非線形・非定常船体動揺を主な解析対象として、変針増減速を含む通常航行時の船体動揺を高次スペクトル解析するアルゴリズムの開発を試みた。最終年度である平成22年度は、開発した瞬間高次スペクトル解析法を練習船による実船実験結果に適用し、得られた結果を学会で公表した。また、模型船を用いた水槽実験、練習船を用いた実船実験についても実施した。得られた具体的研究成果は以下のとおりである。 アルゴリズムの有効性を検証するために、昨年度製作した本学調査・研究船「やよい」の模型船に、本研究で開発した動揺計測システムならびに自航システムを搭載した。船体動揺計測用とオートパイロット用を兼ねてバーティカルジャイロを搭載し、PICの回路によって模型船の制御を行った。まず、基本的航行性能を東京海洋大学垂直循環型回流水槽において確認した。次に、運航性能試験水槽では計測された船体動揺データのワイヤレス送信が不安定であることが分かったため、自作EEPROM回路によってデータ記録することにし、船体動揺データが取得可能となった。 本研究課題の成果公表するために、瞬間高次スペクトル解析法に関する論文をOMAE2010ならびに日本航海学会において発表した。本解析法はTVVARモデルを用いた瞬間パワースペクトル解析法をバイスペクトル解析とトライスペクトル解析に拡張応用したものであり、周波数平面における汐路丸実船実験データの非定常性を検討した結果、縦揺れ、横揺れ、上下加速度の歪度が旋回中に大きくなる傾向があることが確認できた。さらに、瞬間トライスペクトルの推定における本アルゴリズムの有効性を示すことができた。 以上により、本研究課題の目標を達成したと思われる。
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