2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560746
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
福原 豊 東京海洋大学, 海洋工学部, 助手 (90361807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賞雅 寛而 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (20134851)
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Keywords | 微小重力 / 船舶工学 / 流体工学 / 気液二相流 |
Research Abstract |
本研究は、動揺(重力の変化)を考慮しなければならない船舶ボイラ等の伝熱システムの熱流動解析精度の向上のため、先端的流動モデルである気液二相流界面積濃度輸送方程式の開発を最終目的とし、無重量総合研究所(MGLAB)の落下塔設備を用いて微小重力実験を行い、界面積濃度輸送機構に及ぼす重力の影響を検討する。最終年度となる平成22年度は、これまでに取得されている管径5mmおよび9mm円管内のデータベースに加えて、内径3mm円管内上昇気泡流の管軸方向発達に関する実験データを整理した。また、整理された実験データに基づき、界面輸送パラメータ(ボイド率、界面積濃度、ザウター平均径)の流れ方向発達および気液間スリップの形成(気相平均ドリフト速度)に及ぼす重力と管径の影響を評価し、主として以下の知見が得られた。 1.表面張力の支配性が強くなる3mm管においても、5mmおよび9mm管と同様に相間相対速度差が形成することで壁面ピーク型のボイド率分布が形成することを確認し、細管を対象とした界面積濃度輸送モデルの開発において、これらの効果を厳密に考慮する必要性を示した。 2.通常重力下および微小重力下ともに、分布パラメータはザウター平均気泡径の増加に伴って増加する傾向を示した。本実験の範囲において、分布パラメータはザウター平均気泡径と強い相関があり、通常重力と微小重力における分布パラメータの差異は、主としてザウター平均気泡径の変化に起因していることが確認された。 3.通常重力下と微小重力下において取得された管断面ボイド率分布の測定結果に基づいて、ドリフト速度を整理した。その結果、微小重力下においてもドリフト速度は零とならず、液相レイノルズ数の増加に対してドリフト速度は増加することが確認されたことから、摩擦損失勾配による局所スリップの形成は無視できないといえる。
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Research Products
(4 results)