2010 Fiscal Year Annual Research Report
水産資源量調査用グライダー型海中ロボットの開発に関する研究
Project/Area Number |
20560747
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 悟 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00253542)
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Keywords | グライダー / 海中ロボット / 運動制御 / 水産資源量調査 / 浮力調節 |
Research Abstract |
水産資源の保全を目的として設置される人工漁礁については、そこに集まる魚種やその蝟集量など不明な点が多く,さまざまな観測手段が提案,実行されている スラスターを用いず,潜降浮上の繰り返しによって機体に揚力を発生させて航行する,自律型のグライダー型水中ビークルは,省エネルギー性と静粛性に優れており,観察対象である魚類の行動に影響を与えず,長時間のミッションを実施することができると期待される.限られたエネルギーを用い複雑な流れの中で動作するAUV(Autonomous Underwater Vehicle)にとって,ビークルの機体形状の影響を明らかにすることは重要であり,従来の水中ビークルの開発に関する研究においても,様々な形状の機体について,その流体力学特性を調査するための実験や数値シミュレーション計算が実施されてきた.しかしながら多くの場合,観測機器等の付加物や機体に設けられた比較的小さな開口部の影響は小さいとし,解析を簡単にするために省略される場合が多い このため当該年度の研究では,グライダー型水中ロボットにおいて,機体形状の違いがビークルの滑空性能にどの程度の影響を与えるのかを明らかにするために,流体力試験と数値計算による調査を実施した.回流水槽における縮尺模型を用いた流体力試験の結果,グライダー型水中ロボットの機体に設けられる側面開口部の影響は大きく,開口部を塞いだ場合にも性能の低下を招く翼端渦が発生していることを確認した.また,数値計算によって機体まわりの流れを可視化し,機体側面形状の影響を検討した結果,滑空性能に悪影響を及ぼす機体の内部と背面への流れの流入が認められた.さらに,滑空性能向上のための付加物として翼端板を装着することにより,グライダー型水中ロボットの滑空性能が大きく向上することを確認した
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