2010 Fiscal Year Annual Research Report
エマルションフローを利用した海水中微量ウランの捕集・資源化
Project/Area Number |
20560750
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
柳瀬 信之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (90354852)
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Keywords | 海洋資源・エネルギー / ウラン資源 / エマルションフロー / 液体捕集材 / 液-液抽出 |
Research Abstract |
高塩濃度溶液である海水から高選択的にウランだけを抽出できる液体捕集材PC-88Aとその希釈溶媒である灯油を用いて海水からのウランの回収試験を行った。向流式抽出装置に関しては、装置を大型化し毎時1tで処理しても良好なエマルションが生成し、ウランをほぼ100%抽出できることを確認できた。 さらに、大量の海水から希薄なウランを高濃度で回収するには長時間連続的に装置を稼働しても性能の劣化が生じない必要がある。そこで、前年度に引き続き毎時60Lの抽出装置を用いて長時間の性能安定性を評価した。妨害元素の中で特にMgに着目した妨害元素除去装置を新たに開発した。これに連続ウラン回収装置及び油滴回収装置を組み込んだ多段システムを用いて海水1200Lを約20時間かけて処理した結果、90%以上のウランを回収することができた。 エマルションフロー抽出法で抽出率を向上させるにはエマルションをより微細化すればよい。しかし、微細化に伴い抽出材の排水への漏洩が多くなる。これを防止するため油滴回収機構を組み込んだ新規の抽出装置を開発した(特許出願予定)。また、この新規装置に最適化した油相微細化噴出ヘッドを考案した。この油相ヘッドの採用により、水相を微細化し噴出するヘッドがなく単に水相をホースで導入するだけで、良好なエマルションが生成することを確認した。これにより海水中懸濁物による水相ヘッドの目詰まりの問題を完全に解消することができた。
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Research Products
(2 results)