2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波振動による漁船機関に最適な次世代型状態監視システムの開発
Project/Area Number |
20560752
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
太田 博光 独立行政法人水産大学校, 海洋機械工学科, 准教授 (80399641)
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Keywords | 海上安全 / 船舶工学 / 超音波振動 / 漁船機関 / 状態監視 / 潤滑油性状 / 線形自己回帰モデル / トルクリッチ |
Research Abstract |
メンテナンスが行き届いていない漁船機関を対象とした状態監視システムの開発を目的としている.手法として運転中に漁船機関から発する超音波振動および低周波駆動振動を非接触状態のマイクロホンとAEセンサーにて計測し潤滑油性状の劣化および負荷状態の推定さらに低周波振動から機関に高負荷が作用する危険なトルクリッチ状態を容易かつ高精度に推定するシステムの開発を行う.潤滑油性状の推定では漁船レシプロ機関に多数使用されているディーゼルエンジンオイルの特徴定量化を試みた.具体的に実験室のピストン-シリンダライナ型往復摺動摩擦試験機を使用してディーゼルエンジンオイルの性状と,その際に発生する超音波振動の帯域と強度に関する解析を行なう.潤滑油はフェログラフィー法,SOAP法などにより性状分析を行なうことでピストン-シリンダライナ間に作用する応力と油膜厚さ,潤滑油性状とその際に発生する超音波振動の帯域,強度を定量化し潤滑状態と作用する負荷など運転状態を推定するための基礎データを得ている.次に実機である動力計付き4サイクル2気筒エンジン(排気量650cc)を駆動させ摩擦試験機による基礎実験で得られたデータの検証を行い本推定法の有効性を検討する.一方,漁船エンジンに高負荷が作用する危険なトルクリッチの検出法に関しては昨年度,提案した線形自己回帰モデルのARXモデル(Auto Regressive Model with Extra Input Model)の性質を利用した異常成分抽出法を船舶用船外機(4サイクル2気筒エンジン(排気量650cc))に適用し,トルクリッチ検出に関する有効性検証を行いその有効性を検証している.提案手法はエンジンの正常時と異常時に発生する振動と音響時系列データからARXモデルを4並列に用いることでエンジンの振動と音響に関する異常時に発生する変動成分を効率よく抽出する手法であり,実機 船外機に対してもその有効性と実用性を証明している.
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Research Products
(11 results)