2008 Fiscal Year Annual Research Report
近接型AEダブレット解析による地下き裂システムの連係進展過程評価法の開発
Project/Area Number |
20560753
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
永野 宏治 Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (90212109)
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Keywords | アコースティック・エミッション / 地下き裂 / 相似地震 / 地熱エネルギー / ケプストラム |
Research Abstract |
近接型AEダブレットは, 波形相似なAE信号が1s程度の短い時間差で入力する現象である。近接型AEダブレットの相対震源標定は, 伝播媒質に変化がないため, 従来の旭ダブレット/マルチプレット解析より正確である。近接型AEダブレットのP波の入力時間差はケプストラム解析より高い精度で検出できる。しかし, 近接型AEダブレットのケプストラムには,P波の入力時間差とS波の入力時間差の2つのピークがあり,その判別が難しかった。 第2S波の入力時刻より前を時間窓を使って取り出すとともに, その時間窓長を変化させてケプストラムの変化を比較して, 近接型AEダブレットのP波の入力時間差を検出する時間-ケフレンシ解析を考案した。この信号処理法の性能を, 計算機シミュレーションにより検証した。 オーストラリア・クーパーベイズンの水圧破砕実験で観測した近接型AEダブレットのケプストラムは, ソルツと勇払の近接型AEダブレットのケプストラムより, 入力時間差の線ケプストラムの幅が広い特徴があった。この現象はパワースペクトルが低周波数帯域に集中しているためでないことを計算機シミュレーションで検討した。そして, この現象の原因が地下き裂の進展過程自体が原因であることを明らかにした。 近接型AEダブレットの入力時間差を高分解能で検出するために, FFTにより求めた対数パワースペクトルにMUSIC法を使って, ケプストラムを求める手法を考案した。MUSIC法を使うことにより, FFTを使ったケプストラム解析より格段に高い分解能で入力時間差を検出できる可能性を示した。
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