2009 Fiscal Year Annual Research Report
岩石コア中の流体挙動把握のためのキャパシタンスCT法の開発
Project/Area Number |
20560754
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塚田 和彦 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (10179971)
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Keywords | 地殻工学 / 岩石 / 流体計測 / 誘電率分布 / トモグラフィー |
Research Abstract |
砂質あるいは岩質材料中の流体の流動状況を外部からのキャパシタンス計測によって画像化する方法の開発に関して,昨年度に続いたシミュレーションに基づく検討に加え,本年度は,システムの試作も含め,画像化の実際について,いくつかの検討を行った。 ・誘電率分布画像化の逆解析手法についての検討 本質的に非線形であるこの逆問題の解法として,一媒質の均一な分布状態を基準とした線形化インバージョンの方法が有効であり,とくに,二媒質の分布のオンライン可視化においては,単なるバックプロジェクションではなく,正則化つきの最小二乗型一般逆行列に基づく方法が最も適していることが明らかとなった。また,二媒質の分布のオフライン可視化においては,二値最適化問題として取り扱う遺伝的アルゴリズムの利用が十分なる可能性をもつことを確認した。 ・キャパシンスCTシステムの試作 円筒形状を対象とし,その周囲面に8枚の電極を配置したキャパシタンス計測ならびにそれに基づく断面内部誘電率分布のオンライン画像化(数秒/1フレーム)を実現する試作システムを構築した。分解能や精度の向上のたあにば,電極構造・数・配置とガード電極の形状など,さらに検討が必要であるものの,空気中に高分子材料を挿入することで模擬した誘電率コントラスト1:3程度の二媒質の分布の画像化が,わずか8枚の電極であっても,挿入物質の形状を認識できるレベルで可能であることが実験的に確認された。
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