2010 Fiscal Year Annual Research Report
岩石コア中の流体挙動把握のためのキャパシタンスCT法の開発
Project/Area Number |
20560754
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塚田 和彦 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10179971)
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Keywords | 資源エネルギー / 岩石 / 静電容量計測 / 誘電率分布 / トモグラフィー |
Research Abstract |
静電容量計測にもとづく岩石コアなど円筒領域内の誘電率分布可視化について,その方法とシステム開発を目的とする本研究課題の最終年度に得られた成果は,以下の2項目に集約される。 ・ リアルタイム可視化とオフラインでの画像改善 リアルタイムに近い断面可視化を実現するためには,円筒面状での多数の組合せによる電極間キャパシタンス計測データから内部誘電率分布を求める逆問題解析に,単一ステップで解の得られる線形インバージョンの方法を用いる必要がある。正則化最小二乗解にもとづく方法が,もっとも良い再構成画像の得られることは昨年度までに明らかにしてきたが,さらに,オフライン処理として,非線形反復計算によって再構成画像をかなり改善することができ,より明瞭な誘電率分布を求めることができることが示された。このことは,本手法が適用対象としている様々な実験に対して,リアルタイムでのモニタリングと,実験後の詳細解析という2段階の評価フェーズを提供できることを示すものである。 ・ 計測システムの最適化と円筒領域内の多断面可視化 内部誘電率分布の再構成画像の品質は,計測ヘッドに設ける複数の面状電極の数・寸法・配置に依存する。したがって,数値シミュレーションにもとづいて,これら形状パラメータの最適化を図り,その結果にもとづいて,3つの断面の同時可視化を可能とする計測ヘッド(各断面の電極数12)を製作した。そのシステムを用いた実験から,軸方向に誘電率分布が異なる構造の上下動の可視化を試み,ある程度の解像度をもってその動的な変化を,約5秒/フレームの更新速度で画像化できることが示された。
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