2008 Fiscal Year Annual Research Report
層状複水酸化物のサイズ効果による新規環境浄化素材の創製
Project/Area Number |
20560755
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山崎 淳司 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70200649)
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Keywords | 素材資源 / 地層汚染修復 / ハイドロタルサイト / 層状複水酸化物 / シモンコライト / 陰イオン交換 / イオン吸着固定 / ナノサイズ |
Research Abstract |
本研究課題では、ナノサイズ結晶子サイズのハイドロタルサイト系層状複水酸化物(NLDH)の調製条件による陰イオン(主な対象は、六価クロム、セレン、ヒ素、ホウ素、フッ素、亜硝酸の各イオン)交換・吸着特性を中心とする改質条件の探索を行っている。 Mg-Al系NLDH(X線回折によるシェラー径が約0.9nm)は、高結晶性層状複水酸化物(HLDH、シェラー径が30nm以上))に比較して六価クロム、セレン、ヒ素、フッ素の各陰イオンを2倍以上吸着し、HLDHではほとんど吸着しないホウ素もNLDHは吸着能を示すことがわかっている。そこで、有害陰イオン吸着性能の最適化を検討した。その結果、硝酸型、塩化物型のいずれも炭酸イオン交換によって、HLDHは対象イオンの交換容量がほぼゼロ(特にホウ素については、となるのに対して、HLDHの場合は、元のイオン型に比較して最大30%程度の低下であることがわかった。さらに、NLDHを調製する際のMg2+/Al3+(M2+/M3+)比、反応溶液の添加速度、pH、熟成条件(温度、時間)、粉砕の有無などを検討したところ、NLDHと同組成かつ同程度の結晶子サイズに粉砕したHLDHは、陰イオン吸着性・交換性のいずれもNLDHと異なり活性が低いことが示された。 また、Zn-Fe系について共沈法により、層間に異なる陰イオンを含み、様々なZn/Fe比を持つZn-Fe系LDH及びsimonkolleite型物質の調製を行ったところ、Zn-Fe系LDHではpH2〜12、simonkolleite型物質ではpH3〜10の領域で結晶構造が安定であることを明らかにした。さらに、これまでに調製した試料では、塩素型Zn-Fe系LDHがリン酸イオンに対して最も高い吸着能を持ち、Zn端成分simonkolleite型物質がクロム酸イオンに対して最も高い吸着能を持つことがわかった。
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Research Products
(1 results)