2008 Fiscal Year Annual Research Report
亜臨界水処理による農産廃棄物系バイオマスのカスケード利用プロセスの開発
Project/Area Number |
20560756
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
多田 清志 Kitami Institute of Technology, 工学部, 助教 (90333666)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / バイオマス / 発酵 / 亜臨界水 / アスタキサンチン / コーンコブ |
Research Abstract |
1. 目的農産廃棄物系バイオマスのモデル物質としてコーンコブ(スィートコーンの穂軸)を用い、亜臨界水処理によりコーンコブ構成成分をカスケード的に利用し、効率的なアスタキサンチンの微生物生産システムの開発を研究目的した。本年度は、亜臨界水処理によるコーンコブの加水分解および加水分解液を用いたアスタキサンチン発酵について検討を行った。 2. 実験方法ステンレス製の小型リアクターにコーンコブと蒸留水を入れ、N_2ガスで加圧し種々の温度条件下で亜臨界水処理を行った。亜臨界水処理で生成した化合物は、フォトダイオードアレイ(FDAD)検出器およびRI検出器を用いて測定した。次に、コーンコブ加水分解液を用い、酵母Xanthophyllomyces dendrorhous (NBRC 10129) によるアスタキサンチン発酵を行った。 3. 実験結果亜臨界水処理によるコーンコブの糖化を検討した結果、反応温度を制御することで選択的に構成糖を分画可能であることがわかった。また、FDAD検出器を用いることで、亜臨界水処理の際に生成する有機酸、フランおよびフェノール性化合物等の副生成物の定性・定量が可能となった。発酵実験では、コーンコブの糖化で得られたキシロースを用いて酵母Candida magnoliaeによりキシリトールを生成し、続いてこのキシリトールを基質としてアスタキサンチンを生産するとグルコースまたはキシロースを基質したときと比較して効率的にアスタキサンチンが生産され、このことからコーンコブを原料としたアスタキサンチン生産では二段階培養プロセスが有効であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)