2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロタルサイト様化合物を用いた新規リン除去・回収システムの構築
Project/Area Number |
20560757
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩見 治久 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (60215952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩野 剛司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30178850)
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Keywords | ハイドロタルサイト / 水質浄化 / リン除去 / イオン交換 / ケイ酸カルシウム |
Research Abstract |
本年度は、リン除去材となるハイドロタルサイトについて以下の2点の検討を行った。 (1)炭酸イオン型ハイドロタルサイトの熱処理温度がリン除去能に及ぼす影響 層間に炭酸イオンを含むハイドロタルサイトを200℃から800℃で熱処理した。その結果、300℃以上で、炭酸イオンが脱離し、層状構造が崩壊するが、リン酸イオンを取り込み層状構造が再構築することによりリン除去能が上昇することが確認できた。この熱処理の効果は、500℃から600℃で熱処理した場合に最も大きく、リン除去能が最大になった。600℃以上では、析出するスピネル層が安定化し、層状構造の再構築が阻害され、リン除去能は低下することが分かった。また、500℃で熱処理後、リン除去した試料を炭酸イオンを含む水溶液に浸漬しイオン交換することにより、除去量の70から80%を回収できる可能性があることが分かった。なお、500℃で熱処理を行うことによりリン酸濃度が100ppmにおいてもリン除去が可能となることが分かった。 (2)炭酸イオン型ハイドロタルサイトの粉砕がリン除去能に及ぼす影響 市販の炭酸イオン型ハイドロタルサイトを振動ミルで6,12,24時間粉砕し、リン除去能がどの様に変化するかを検討した。その結果、粉砕時間が長くなると比表面積の増加に伴いリン除去能が向上し、従来リン酸イオン濃度5ppmが除去限界であったが30ppmまで除去が可能となった。しかし、粉砕処理のみではリン酸イオン濃度30ppmまでの除去能しか得られず、粉砕と熱処理の併用が必要であると考えられる。
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